内子の市街から大瀬の部落へ　　

昨夜も部屋一杯に干し物をしていたので収納に時間がかかる。 ここ松乃屋旅館は内子座のすぐ近くとあって、よく有名な俳優さん達も泊まるそうだが、そんな方も一般のお客さんも区別はしませんと女将さんは言っていた。まあ当然ではあるが。 料金も民宿よりは多少高いがそれでも夕食に生ビール１本付けてもらっても１万円でお釣りがきた。 食事も民宿のような、これでもかっ！というような豪快さはないが、上品なお料理で美味しかった。 朝食がまたユニークで、「さつま」という郷土料理だそうだ。焼いた白身魚をすり下ろし、だし汁で割ってゆず、ごま、ネギ等の薬味を加えたものを麦飯に掛けて食べるのだが、一度食べると忘れられない味。 　８：４０　出発。まだ雨が降っている。 内子の町の出口が少々判りにくい。地図を見ながら進んだのだが、やはり間違ったよう。同じような間違いをする人が多いらしく途中に看板が出ていて、それを見て引き返した。 　９：３０　ようやく道の駅内子からりへ到着。新鮮な野菜、果物などを販売しているのでイチゴなどを買って食べ一休み。出発する頃になって雨も上がる。 １２：００　大瀬の休憩所。ここで叶崎の休憩所で一緒だった人と再会。 大江健三郎さんの生家がこの大瀬にあるということを旅館の女将さんに教えてもらっていたので探してみる。 特別な表示は何もないが、大江燃料店の看板を見つけたので、向かいのお店のおばあちゃんに聞いてみると、やはりそうだった。 でも、建て替えられて健三郎さんがいた頃の面影は何もないと言っていた。お兄さんが継いでいたが亡くなって今はその息子さんが燃料屋さんをやっているということだった。 健三郎さんが通ったと思われる大瀬小学校にも寄ってみた。なにか記念碑みたいなものでもあるかと校庭を一周してみたがそれらしきものは何も見あたらない。その代わり毎年の卒業生が記念に作成しているらしいモニュメントがたくさんあって面白かった。

道間違いを教えてくれた看板	道の駅内子からりの朝市
ウドかと思ったらイタドリだった。この辺では 「イタドリ取るな」の立て札も立っているらしい	大江健三郎さんの生家、大江燃料店
大瀬小学校。当然のことながら 校舎は建て替えられたものだろう	卒業記念作品の一つ、怪獣の像

曽我十郎首塚を見て旧広田村総津へ

　今は雨も止んでいるが今夜また降るとの予報なので、民宿に泊まることにして旧広田村総津のえびす屋旅館に電話予約、OKとのことで一安心。
時間的に余裕がありそうなので、少し寄り道になるが曽我十郎首塚に行ってみることにする。
１２：４５　入口。ここから上り約２０分で到着。
首塚の近くは公園になっており、休憩所や新しくイベント館も出来ていて野宿も出来そう。ここなら雨の心配もしなくて良さそうなので旅館を予約しなくてもよかったかと一瞬思ったが、まだ時間も早いのでまっ、いっか。
首塚の謂われを書いた説明板が設置してあるが、これが面白いことに生家の近くには何もなかった、大江健三郎さんのノーベル賞受賞記念で建てられた旨の標識があった。
この説明板によると、父親を伯父に殺された曾我兄弟は富士の裾野で見事仇討ちを果たすが、多勢に無勢で結局討ち死にしてしまう。宇和島出身の鬼王という家来は主人の首を故郷へ持ち帰り弔おうとしたが、途中シケに遭ったり追っ手が延びてきたりして首も痛み始めたので、この地に葬ったということである。
爾来、この地の住民は先祖より神社を祀り、文化遺産として守り今でも毎年、兄弟の命日に近い５月末の日曜日に武者行列など、地域起しも兼ね、かなり大々的なお祭りを催している由。
しかし、その時以外は訪れる人も少なそうで静かなところ。

４５分ほど休息して下りは１０分でまた元のR379に戻る。

R379からの入口には新しい 鳥居を建設中のようだった	首塚自体は小さな祠
首塚の謂われを書いた説明板。 前の標柱にノーベル賞受賞記念 と書いてある	イベント館。まだ未完成のような 感じもするが、野宿によさそう

この辺も例に漏れず合併で町村名が大分整理されたよう。
五十崎町、内子町、小田町が新しく内子町に、砥部町、広田村が新しく砥部町になった。これは内子町、砥部町が前の名前を残したので吸収合併の様な形。対等合併で新しい名前を付けるのとどちらが良いか他所の人間が無責任には言えないかもしれないが、あまり取って付けたような名前はどうかと思うのでこれで良かったのでは。
旧小田町では、久万町と一緒になるべきか、内子町と合併すべきかで大分意見が分かれたらしい。これも内子の旅館の女将さんから聞いた話。
その久万町は面河村、美川村、柳谷村と合併して久万高原町となった。

千人宿大師堂	楽水大師
１７：００　旧広田村総津の えびす屋旅館到着	えびす屋の夕食。食べきれないほど

　本日の歩行　２４Ｋｍ